ヘリテージング
美しき小江戸三姉妹の長女 川越一番街
昔から小江戸と称される川越、佐原、栃木の小町三姉妹。中でも長女格はやはり川越だろう。さて、夢を壊すようだが、江戸情緒に彩(いろど)られた蔵造りの町並みというのは、たいてい明治期の大火災以後に造られている。だからヘリテージングの対象になるのだ。
川越も、蔵造り商家が増えたのは、町の三分の一が焼失した明治26年の大火後のことだ。火災に耐え焼け残った蔵を見て、商家はこぞって蔵造りの家を建てた。当時はやり始めた西洋レンガを塀に用いるなど、黒漆喰(しっくい)の和の色彩と、赤レンガの洋の色彩が美しく混在する町並みがこのとき造られた。
昭和30年代になって繁華の中心が駅周
辺に移り、蔵造りの町並みは一時寂(さび)れた。しかし昭和58年に、町並み観光の中核となる「川越蔵の会」が発足し、伝統的建造物を生かした商店街づくりへと本格的に動き出す。商店街には「町並み委員会」が創設され、道路整備や電線の地中化など町並み観光のインフラが次々に整えられる。
昭和50年、文化財保護法の改正で「伝統的建造物群保存地区」の制度が定められ、国が重要な町並みの保存地区を選定するようになった。町並みは「山村や農村などの集落」「宿場町」「港町」「洋館群」「商家町」「産業に結びついた産業町」「門前町・社家町」「茶屋町」「武家町・城下町」などに分けられる。
現在までに全国で62の地区が選定されており、川越は佐原とともに「商家町」のカテゴリーで選ばれている。
日曜日ともなると、まるで正月の浅草を行くような賑(にぎ)わいだ。町を貫く中央通りの仲町交差点から札の辻まで一番街約400メートルが、「蔵造りヘリテージング」のハイライト。この区間、電線が地中化されたせいで空がすっきり大きく広がる。その空を背景に道の両側には豪壮な蔵造り商家のオンパレード。まるで黒糸(くろいと)縅(おど)しの武者行列を見るようだ。
豪快な入母屋(いりもや)造りの松崎スポーツ店、ブティックと茶房を営む相徳、芋菓子歴史館を併設する亀屋栄泉、日本最大級の入母屋造りの大店(おおだな)陶舗
やまわ、刃物商まちかん、美術表具のフカゼン、大火を免れた大沢家の江戸期の店蔵(重要文化財)も行列の中にある。
蔵だけではない、大正7年に建てられた旧国立八十五銀行(現・埼玉りそな銀行川越支店)の青緑色のドームも、青空に大正ロマンの華を咲かせている。
中央通りを「時の鐘」のある旧多賀町方向の路地へ折る。芋せんべい、芋ケーキ、芋ソフト、芋ソーメン、川越地ビールサツマイモラガー、やたらイモの文字が目につく。ここは昔から「川越いも」で有名だ。
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  川越一番街商店街
   
◆URL
http://www.kawagoe.com/ichibangai/

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◆電車
西武新宿線「本川越駅」から徒歩15分
東武東上線「川越市駅」から徒歩15分
JR川越線「川越駅」 から徒歩18分