ヘリテージング
錆びついていた時計が再び時を…… 筑後川昇開橋
筑後川昇開橋を使ったCMがある。「錆びついていた時計が再び時を刻み始めた―」というナレーションがちょっと泣かせる。止まっていた古い可動橋がまた動き出したことを暗示しているようで、なかなかいいのだ。
さてここで問題。旧筑後川橋梁(きょうりょう)は佐賀県と福岡県の県境にまたがっています。では、この橋はどちらの県のものでしょう? 答えはJR九州です……とくれば引っ掛けクイズだが、実は佐賀県諸富(もろどみ)町と福岡県大川市が仲良く共有する国指定の重要文化財なのだ。もっとも、佐賀側の案内プレートにはしっかりと「東洋一の諸富鉄橋」としてあったが。
この橋の特徴は、船の運航を妨(さまた)げぬよう、橋梁の中央部分がエレベー
ターのように上下することだ。正確にいえば、船が通るとき上がるのではなく列車が通過するときに下がる。
完成は昭和10年。旧国鉄佐賀線の鉄橋だった。昭和55年当時のダイヤによれば通過列車は1日10往復、つまり1日20回上下を繰り返していた。
昭和62年に佐賀線は廃止となり、鉄道施設としての使命を終えることになるのだが、橋のある風景に慣れ親しんできた両岸の住民にとって、橋がなくなるのは故郷の原風景を失うのに等しい。地元の熱望が行政を動かし橋梁は国鉄清算事業団から両岸の市町へ譲渡されることになった。
筑後川昇開橋は、いまは遊歩道として1日8回の昇降を繰り返している。線路が取
り除かれた橋の上には枕木(まくらぎ)とレールがペイントされ、かつてここを佐賀線の列車が轟音(ごうおん)とともに駆け抜けていたことを物語っている。月曜定休。  
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Information

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  財団法人 筑後川昇開橋観光財団
    TEL:0944-87-9919

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◆車
九州自動車道「八女インターチェンジ」より国道442号線経由約30分
長崎自動車道「佐賀大和インターチェンジ」より国道208号線経由約35分