ヘリテージング
小江戸なのか、小京都なのかその風情 栃木巴波川(うずまがわ)
「北の小京都・松前」から「薩摩の小京都・知覧」まで、いま全国で59の市町が「小京都」を名乗っているそうだ。これに対して「小江戸」は、栃木、川越、佐原、大多喜、掛塚、彦根と、わずか6市町があるのみ。江戸より京都のほうがインターナショナルだし、使い勝手がいいのはよくわかる。しかし、「小江戸・栃木」が、「関東の小京都」として全国京都会議に加盟していることは解せない。
やっぱり栃木は小江戸であってほしい。なぜなら、「小江戸・佐原」の川の景観と「小江戸・川越」の道の風景、二つの風情を栃木は併せ持っているからだ。
佐原を栄えさせた舟運の大動脈、小野川に相当するのが、栃木の「巴波川(うず
まがわ)」であり、川越の中央通りが、栃木の「例幣使(れいへいし)街道」と呼ばれる道筋に相当する。
巴波川沿いに「蔵の町・栃木」の代表的な景色が広がる。柳が揺れる川端に長大な黒板塀が続き、かつての材木問屋「塚田家」の文庫蔵、荷蔵、米蔵、銘木蔵などがずらりと並ぶ。主屋と板塀は明治後期の建築。8つの蔵は明治32年から大正にかけて造られた。塚田記念館のみ有料公開だ。ここを栃木ヘリテージングのスタート地点にする人は多い。
例幣使街道沿いにも多くの蔵が並ぶ。明治初期の2棟の見世蔵(店蔵ともいう)は、地元出身作家の記念館になった、「山本有三ふるさと記念館」だ。
広い敷地に建つ「関根家」は、店舗が大正期の洋風建築、住居は明治中期、蔵は江戸末期という三時代が混在する商家。関根家の隣に仲良く並ぶ「五十畑荒物店」「井岡荒物店」の見世蔵は、明治中期の黒漆喰(くろしっくい)。「綿忠はきもの店」「丸三家具店」は幕末の白漆喰。「毛塚紙店」は「蔵の町」を代表する黒漆喰だ。古い蔵は白か黒かで時代が推定できる。
小江戸と呼ばれる町には必ず際立った洋風建築がある。川越の旧国立八十五銀行、佐原の旧三菱銀行。栃木にも県庁堀を見下ろす「市役所別館」(大正9年)があった。
「小江戸」の風情を感じるか、「小京都」
の情緒を楽しむかは、結局、ヘリテージングする人次第だ。いずれにせよ美しい伝統景観を残す町の尊称には違いない。
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Information

【アクセス】

 
◆電車
東武日光線、またはJR両毛線「栃木駅」から徒歩5分
◆車
東北自動車道「栃木」インターチェンジ〜県道3km〜栃木市街