ヘリテージング
日本一美しいダム 白水堰堤(えんてい)
「このダムは日本一美しい」--日本大学の伊東孝教授が、この地を調査したときつい口にした言葉だという。以来、白水堰堤(昭和13年完成)を語るだれもがこの言葉を口にするようになった。堰堤に向う細い道の入り口にも「日本一美しい白水ダム、これより600m先」という看板がある(高さ15m以上をダム、未満を堰堤という。白水はぎりぎり)。
白水堰堤への道はほとんど未整備だ。駐車する広場はあるが、そこからさらに15分ばかり歩かなければならない。看板に偽りありかと半信半疑でやって来た旅人は、そこで息を呑むことになる。
このダムは「越流堰堤」といわれる方式で、蛇口を閉め忘れたお風呂のように、堰
堤の上を絶えず水が乗り越えるようにできている。右岸の水はボブスレーのように豪快な曲線ターンを描いて流れ落ち、左岸の水は階段状の石段を、絹のレースのように流れ下る。全体では高さ14.1m、幅87mの巨大なステージにかかった純白の緞帳(どんちょう)だ。
大学の先生からは日本一の折り紙を付けられ、平成11年には農業土木遺産として初めて国の重要文化財に指定された。しかしなぜか、地元竹田市のホームページの観光案内には紹介されていない(2006年5月現在)。
自然の滝ならぬ農業用の水利施設では、人が集まらないというのか。それとも交通の便の悪さを気にしてのことか。
一級のヘリテージング名所なのに、もったいない話だ。
伊東先生の専攻は都市計画史と土木史だが、近代化遺産はどんどん活用しようという持説の持ち主。土木遺産は楽しみましょう。楽しめるものは町づくりに生かしましょうという考えはまさにヘリテージング精神そのものだ。白水堰堤は、竹田市が活用できる「日本一」のヘリテージング資源だと思うがどうだろう。
 
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Information

【案内】

 
◆所在地
大分県直入郡荻町大字柏原

【アクセス】

 
◆電車
JR豊肥線玉来駅から車で約30分