京都ヘリテージング

京都って、レンガ色の町だった

「パリやロスに ちょっと詳しいより 京都にうんと詳しいほうが かっこいいかもしれないな。そうだ 京都、行こう。」
平成5年、あの有名なJR東海の京都キャンペーンが始まった。京都といえば古都、お寺の町。名キャンペーンが12年がかりでそういうイメージを積み重ねてきたのだから疑問の余地はない。ただし京都はヘリテージングの都というもうひとつの顔を持っている。
平成10年から12年にかけて、京都府教育委員会は近代化遺産の総合調査を行った。その報告書は次のような言葉で始まる。
「一般に京都といえば、神社や寺院などの、伝統的な建物や美術工芸品が数多く残されていることで知られていますが、明治維新により、首都としての機能はなくなったものの、他の地方に先がけて、さまざまな先進的な要素を取り入れてきました」。
さらに市内の近代化遺産についてこう
述べる。
「京都市内に残る昭和戦前期までに建てられた洋風近代建築は、単純な数からいっても他都市に比べて突出して多い。一般に近代洋風建築が豊富であると思われる横浜市や神戸市と比べても、そのほぼ倍に近い数となっている。明治初頭のモニュメンタルな様式建築から、擬洋風(ぎようふう)、外国人建築家の作品、さらにはわが国を代表する建築家の代表作まで、日本の近代建築の歴史を語る上で必要な、あらゆる遺構がほとんどそろっている」。
京都は、中世のまま時間を止めてしまったのではない。他のどの都市よりもはるかに溌剌(はつらつ)と近代化の道を歩んだ町なのだ。日本でもっとも多くの赤レンガ建築が見られる町。
ここは参詣(さんけい)する町であると同時にヘリテージングをする都でもある。
古都を彩る明治建築群「同志社今出川校地(いまでがわこうち)校舎群」
辰野デザインの典型モデル「京都府京都文化財博物館別館」
(旧日本銀行京都支店)
耐震構造のどっしりゴシック「日本聖公会聖アグネス教会」
建築家が造った西洋様式の頂点「京都国立博物館旧本館、旧正門」
外観も室内も複雑な構成が魅力「清水順正」
ずば抜けて完成度の高い贅沢さ「長楽館」
圧巻、20両収容できる扇形車庫「梅小路(うめこうじ)蒸気機関車館」