東京ヘリテージング

東京ライバル建築合戦

都市型観光とは不思議なもので、自分とは縁もゆかりもない建物なのに、その都市にあるというだけで、遠路はるばる海外からも見物にやってくる。はやりの言葉でいえば「都市ブランド力」とでもいうのか。
弥次さん喜多さんの昔から江戸や京都は観光ブランド都市だった。このふたつの都市はヘリテージングの観点からも2大ブランド都市といえるのだ。京都は日本有数の赤レンガ建築都市、東京は日本最多の近代遺産都市。
「東京ヘリテージング」をすると、日本近代化の歴史のフルコースを楽しむことができる。とはいえ、地下鉄を乗り継いで都内を歩き回ることがそんなに楽しいかと聞かれたら、返答に窮する。ヘリテージングは学問でも研究でもない「観光散歩」なのだ。やはり見知らぬ町を訪ねるトキメキはあったほうが楽しい。
だから東京の人なら、「そうだ 京都、行
こう」と考え、京都の人は、「そうだ 東京、行こう」と思えばいい。まずは他人の庭を眺めて、おのれの庭の良さに気づくことだ。
本当はじっくり見たこともないのに、見たような気になっているだけの地元ヘリテージング、どうしたら面白くなるか…。
東京はあまりにもヘリテージングの対象となる建築物が多過ぎる。そこで東京にしかできない楽しみ方を考えてみた。学校、教会、駅、官公庁、これらの建物を紅白歌合戦のようにライバルどうし組み合わせるのだ。三井対三菱、早稲田対慶応、キリスト教対仏教(ライバルは変かもしれないが)、ターミナル駅対通過駅、芸大対東大…。日本を代表する歴史的建築物のライバル対決。ここでは取り上げなかったが、法務省対国会議事堂という対決もなかなか見応えがある。
アメリカ式オフィスビルのはしり「三井本館」
コンドル先生が残した傑作「旧岩崎久弥邸」
大隈重信を記念するワセダのシンボル「早稲田大学21号館」
(大隈講堂)
Since1858を記念する三田のシンボル「慶応義塾旧図書館」
昔なつかし東京名所「日本ハリストス正教会教団復活大聖堂」
(ニコライ堂)
探検から生まれたインド風寺院「西本願寺派浄土真宗本願寺」
(築地本願寺)
2011年に甦(よみがえ)る日本最大のレンガ駅舎「東京駅丸の内本屋」
山手線を代表する近代駅舎「原宿駅」
外観より室内意匠、音響設備が見事「旧東京音楽学校奏楽堂」
「赤門」に建てられた最初の校舎「旧東京医学校本館」