横浜ヘリテージング

明治時代のみなとみらい

映画「ラストサムライ」の導入10分目くらい、船の甲板でトム・クルーズが海を眺めているシーンがある。その視線の先に、これから上陸する港が次第に姿を現す。画面下に「Yokohama Harbor 1876」のタイトルスーパーが入る。開港して17年目の横浜の姿。 1876(明治6)年、横浜にはきっとああいう風景があったのだ。よく見るとレンガ造りのビルなども建っている。港横浜の原点は間違いなく1859(安政6)年の開港にある。「みなとみらい」などというけれど、それはまだ歴史のない埋め立ての町に冠された修飾語。実体のあることをいおうとするなら、横浜は「明治時代のみなとみらい都市」だったのだ。たとえば、修好通商条約で同時期に開港した神戸、長崎、函館、新潟を比べて、日本にもっとも未来(文明開化)をもたらした港はどこかと聞かれたら、幕末は長崎、その後は横浜と答える人は多いだろう。 明治5年に走りはじめたばかりの陸(おか)蒸気でも、新橋・横浜間は1時間足らず。港に上がった西洋文化が横浜発で帝都東京に伝えられ、それが全国に発信されて行ったのは自然な流れだった。この流れは明治・大正・昭和へと続く。日本の近代化で横浜が果たした役割は5港の中で一番大きかったのではないだろうか。明治・大正・昭和の「みなとみらい」とはどんな町だったのか、それを見にいくのが「横浜ヘリテージング」だ。みなと横浜を代表するゾーンは「関内(かんない)」だ。ここが「横浜ヘリテージング」のメイン・ストリート。港があって倉庫があって銀行があって役所がある。横浜という町は、ここを中心に商港としての国際都市を築いて行った。トム・クルーズ扮するネイサン・オールグレン大尉が目にしたのは、明治初頭、黎明(れいめい)期の関内の風景だった。
帝冠様式の風格「神奈川県庁本庁舎」
(キング塔)
優雅なイスラム風ムード「横浜税関」
(クイーン塔)
辰野式の紅白ツートーン「横浜市開港記念会館」
 (ジャック塔)
内も外も豪華一点張り「神奈川県立歴史博物館」
(旧横浜正金銀行本店本館)
純正英国仕立て「横浜開港資料館旧館」
(旧英国総領事館)
横浜を代表する老舗「ホテルニューグランド本館」
甦ったニューレトロ「横浜赤レンガ倉庫1号館・2号館」
ホテル下の巨大記念碑「ドックヤードガーデン」
(旧横浜船渠(せんきょ)第2号ドック)